犬にとって必要なこと、「お散歩」!面倒くさいと感じている方もいるようですが、しないとどうなるのか、どのくらいの時間行けばいいのかなど、目安や必要性をご紹介していきます。また、ワクチン後はいつから行っていいのかも覚えておきましょう!
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犬の散歩が必要な理由
まずは、お散歩の必要性を見ていきましょう!
- 運動になる
- 社会性が身に着く
- ストレス発散
- コミュニケーション
運動になる
お散歩の大きな目的の一つが運動です。もともと自然界では、狩猟犬として餌を求めて走り回っているので、お家にばかりいると運動不足になってしまいます。お散歩による運動は、肥満の予防や糖尿病・関節炎などのリスクを減らしてくれるだけでなく、ストレス発散のためにも大切です。
社会性が身に着く
お家の中で暮らしている犬の場合、基本的には常に同じ環境の中で生活しています。お散歩で外に行くと、知らない人や犬、車や大きな建物など様々なものに出会います。お散歩を通じて、様々なものを見たり、匂いを嗅いだり、音をきくことで、やがて慣れて問題ないということを犬が理解できると、恐怖心も和らぎ、興奮したり吠えたりすることがなくなるのです。人や物に慣れていないと、動物病院やペットホテルを利用する時に怖がってしまいます。
ストレス発散
お散歩は犬が外の環境に慣れる「社会化」に非常に有効なだけでなく、毎日繰り返す日々の中で刺激になり、ストレス発散の効果も期待できます。
コミュニケーション
お仕事などで忙しい飼い主さんは、お家の中で一緒にいても愛犬をかまってあげる時間が多くはとれませんよね。お散歩は愛犬が飼い主さんと1対1でコミュニケーションを取れる貴重な機会です。犬たちもただ歩ければ満足というわけではありません。飼い主さんと一緒にお出かけできることがうれしいのです。また、お散歩を通して初めて愛犬の体調不良に気づくこともあります。「なんとなく動きが悪いな」とか「足をかばっている」、「すぐに疲れてしまう」などの異常は、普段の生活では見えにくいものだったりします。愛犬の体調のバロメーターとしてもお散歩は役立ちます。
お散歩は犬のストレスを発散し、体調の管理をしてあげるためにも重要なものです。犬のお散歩の意味を理解し、犬もヒトも楽しく散歩ができることが理想です。
犬の散歩って絶対?しないとどうなるの?
犬のお散歩の必要性を見てきましたが、ではしないとどうなるのでしょうか?
- 運動不足(肥満)になる
- 社会性が身につかない
- ストレスが溜まる
- 老化が進行する
運動不足(肥満)になる
散歩をしないと犬は運動不足になり、肥満の原因になります。肥満になると、心臓に負荷がかかったり糖尿病、骨や関節の病気などさまざまな体のトラブルを招きます。また、散歩によってエネルギーを発散できないと、その有り余るエネルギーを発散させるために破壊行動や無駄吠えなどといった問題行動を起こすこともあります。
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社会性が身につかない
あまり散歩に行かないと犬は社会性を十分に身につけられず、警戒心が強くなる場合があります。そのためちょっとしたものにも吠えたり怯えたりするようになったり、家族以外の人や他の犬に対して攻撃的になるなどといった問題行動が目立つようなる可能性があります。
ストレスがたまる
散歩に行かずに同じ場所ばかりで過ごしていると、刺激が少なくストレスが溜まります。ストレスは万病の元であり、ストレスが引き金となって脱毛症・うつ病・肢端舐性(したんていせい)・皮膚炎・下痢・嘔吐などといった病気やトラブルが生じる恐れがあります。
老化が進行する
老化が進行する…高齢になって足腰が弱くなると、「かわいそうだから、もう散歩に行くのはやめようかしら?」と考える飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。散歩へ行かないとますます筋力が衰え、関節も弱くなり、さらに老化が進行してしまう可能性があります。また、外にはにおいや音などさまざまな刺激があり、その刺激が犬の脳を刺激します。散歩に行かないと脳が刺激されず、認知症につながりやすくなります。
犬の散歩の時間の目安
犬は、体のサイズによって小型犬、中型犬、大型犬の3つに分類できます。小型犬より小さい犬は超小型犬、大型犬よりも大きい犬は超大型犬と呼ばれることもあります。厳密な定義はありませんが、小型犬は体重5〜10kg、中型犬は10~20kg、大型犬は20~40kg程度が目安です。
小型犬
小型犬は完全室内飼育の場合が多く、日常的に室内で動くことにより充分に健康をキープできますよ。チワワなどの超小型犬は、成犬になっても3kg程度の体重であり、もともと骨が細いので長時間の運動は体に負担をかけてしまいます。散歩をさせる場合は最大でも1日1回、30分程度を目安としてください。
中型犬
中型犬は1日2回、1回あたりの散歩時間は30~50分程度散歩の時間をとるのが理想です。ただ外を歩くだけだと十分なストレス発散にならず、一緒に並走してあげたり、ドッグランを利用したりして思いっきり走らせてあげてください。終始全力疾走させる必要はありませんが「走る」要素を散歩の中に取り入れてあげると、喜んでくれますよ。
大型犬
大型犬は1日2回、1回あたり30~60分程度の時間をかけた散歩が必要です。中型犬のように「走る」ことを意識するのではなく、「ゆっくりと長い距離を歩く」ことを意識するのがポイントです。大型犬は成犬になる前に過度な運動をさせ過ぎると、股関節形成不全などの障害を抱える可能性がありますので、飼い始めから1歳くらいまでは運動のし過ぎに注意してあげてください。
犬の散歩は、ワクチン後いつからOK?
動物病院でワクチン接種をした後であれば、基本的には散歩に出かけても大丈夫です。ただし、ワクチン接種は複数回に分けて行われるので「大丈夫」と言われても散歩デビューのタイミングがわからないという方もいるはずです。
生後3ヶ月くらいの子犬を迎えることが多いと思いますが、すぐにワクチン接種に行くのはおすすめできません。
子犬もまだ新しい環境に慣れていないでしょうし、不安を感じていることもあるからです。まずは新しい環境に慣れさせる必要があるため、少なくとも1週間は自宅でのびのびと過ごさせてあげましょう。ワクチン接種に行くのはそれからでも遅くありません。
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動物病院でワクチン接種をしたら犬の体内で抗体が作られて、さまざまな病気に対する免疫ができていきます。「これでいよいよお散歩デビューができる」と勘違いされやすいのですが、実際に安心してお散歩デビューができるのはもっと後のことです。
犬の混合ワクチン種類一覧表と料金。副作用で嘔吐や下痢?元気がない場合は。
どうしてワクチン接種をしたのにすぐ散歩に出かけることができないの?
このように思われるかもしれませんが、これにはワクチンの効果が出てくるまでの期間が関係しています。
実はワクチンを接種したからといって、すぐに体内で抗体ができるわけではありません。子犬の場合は、1回のワクチン接種でスムーズに免疫を得ることが難しいため、数回に分けてワクチン接種をします。
だいたい、生後2ヶ月で1回目の接種を行い、3ヶ月目と4ヶ月目にそれぞれ1回ずつのワクチン接種を行うことになっているのは、こうした理由からです。また、子犬の免疫が散歩に行っても問題ないレベルになるためには、2〜3週間ほど必要になります。そのため、安心してお散歩デビューができるのは最後のワクチン接種から2週間後以降になります。
子犬は、特に免疫力が弱い
子犬は特に免疫力が弱いので、ワクチン接種前に散歩に連れて行くことはもってのほかです。外の世界にはさまざまなウイルスがいますし、犬にだけに感染する病気もあります。子犬だとちょっとしたことでも命に関わる可能性があるので、お散歩デビュー前は抱っこ散歩で外の世界に触れさせる程度にしておきましょう。こうすることで、大切な社会化期に街の雑音や知らない人に慣れるさせことができます。ワクチン接種前はもちろんですが、接種後すぐは散歩だけでなく外出も控えるようにしましょう。
ワクチンが接種された後は免疫力が弱く、体調が悪くなりやすいのです。そのため、シャンプーや激しい運動など子犬にストレスがかかる行為も2〜3日程度控えましょう。また、免疫力が弱い状態で外に出てしまうと、感染症などの病気にかかる恐れがあります。こうした事態を回避するためにも、注射をした直後は散歩を避けたほうがよいとされています。
「可愛い子犬を早く外に連れて行きたい」という気持ちもわかりますが、それをぐっとこらえて愛犬の健康を気遣ってあげましょう!
犬は生後3ヶ月くらいに散歩デビューしておくべき」と言われることがあります。これには理由があって、生後4ヶ月を過ぎると、初めての出来事に恐怖心や警戒心を覚える「若齢期」と呼ばれる期間に入るためです。
「免疫力が弱い状態で他の動物と仲良くしたり、草むらを駆け回ったりするのは避けましょう」と言われても「ワクチンが安定しないと散歩デビューができない!でもこのままだと若齢期に突入してしまう」ということはよくあります。
これは飼い主を悩ませる大きな問題ですが、子犬を抱っこして散歩してあげれば大丈夫です。抱っこして少し自宅の周辺をぶらぶらするだけでも外の空気を感じられますので、ワクチンが安定するまでは「抱っこ散歩」を楽しみましょう。ただし、散歩の仕方には工夫してあげてください。地面に降りてしまうなど万が一の事態に備えて、必ずリードやハーネスをつけてから抱っこするようにしましょうね!
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犬を散歩する際の注意点。
犬を散歩するにあたり、飼い主のみんなが必ず気を付けなければならないことがあります。まだお散歩に出かけたことない人はもちろんのこと、今お散歩に出ている方も熟知しておきましょう!
- リードを着ける
- 周囲の歩行者に気配りをする
- リードは短めに持って歩く
- 跳びつかせない・吠えさせない
- 他の犬と出会ったら慎重に反応を見る
- 排泄したら必ず後始末をする
すべて当たり前のことですが、出来ていない人も多くいます。今一度読み直し、お散歩を見直してみて下さい。
リードを着ける
散歩させる時は、必ずリードを着けましょう。十分にしつけられていればリードは不要ということではありません。どんなに人に慣れていて、訓練されている犬だとしても、ノーリードでは通りすがりの人々に不安や恐怖を与えてしまいます。リードをしていれば、周囲の人も安心できるのだということを覚えておこう。
周囲の歩行者に気配りをする
町を歩いている人、散歩中に出会う人、誰もが犬好きとは限りません。散歩中は、「犬嫌いの人もいる」ということを常に忘れず、周囲の人との位置関係に注意しましょう。
リードは短めに持って歩く
リードは基本的に短めに持ちましょう。長くしていると、思わぬ事故を引き起こしてしまうおそれがあります。他の人の足にリードがからまる可能性もあれば、リードに気づかないまま走ってきた自転車が引っかかってしまうこともあります。特に、人通りや車の走行が多い場所では、リードを短めに持って散歩をすることが大切なマナーになります。危険回避のためにも必要なことです。
跳びつかせない・吠えさせない
散歩をしている時に起こりがちな問題として、「跳びつく」「吠える」の2点があります。人が大好きな犬は、その表現の一種として跳びつこうとすることもあります。襲いかかろうというつもりではなくても、犬が苦手な人なら恐怖を感じるでしょう。犬好きな人でも、不意に知らない犬が跳びついてきたら驚いてしまいます。相手の衣服を汚したり、怪我をさせたりする可能性もあるので、犬が人に飛びつかないようコントロールすることが大切です。
他の犬と出会ったら慎重に反応を見る
前に「挨拶させても大丈夫ですか?」などと、声をかけてみましょう。お互いの犬の性格を確認し合い、様子を見ながらゆっくり近づけるようにしましょう。「ありがとうございました」などのお礼や、もしも相手の犬をおびえさせてしまった場合には「すみませんでした」などの言葉を交わすことで、お互いに気持ちの良い交流をはかりましょう。
排泄したら必ず後始末をする
散歩のマナーのなかでも、特に注意が必要なのが、排泄にまつわるもの。他人の住居の前にある電柱、商店街の店頭などで排尿させることはマナー違反です。愛犬の排尿は、道路脇にある側溝や排水溝周辺でさせること。そのあとで、持参した水で洗い流すといった気配りをするといいでしょう。利用したいのが、マナーポーチや密閉容器。フンを回収したビニール袋をその中におさめれば、周囲に不快感を与えずに散歩が楽しめます。排泄の問題は、愛犬との暮らしに社会全体から賛同が得られるかどうかの鍵ともなりえます。マナーとして、フンは必ず持ち帰り、人に不快な思いをさせないように心がけましょう。
まとめ
いかがでしたか?中には飼い犬の散歩がめんどくさいと感じていた人もいらっしゃるかもしれません。「どれくらいの距離を散歩させればいいの?」「時間帯は?」「歩いてくれない」「他の犬に吠える」などが解決したら、それはきっと最高の散歩!ワンちゃんと最高の時間を過ごしてみましょう!
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